お客様の求めるスタイルに限りはない―――。これらを叶えるため多様なシザーがありますが、これまでOKAWAではリング、ハンドル長などの構造部分のサイズは男性、女性もなくすべて同一規格でできていました。活躍する多くの女性スタイリストが既存のものに自分を合わせるのではなく、より自分の手に合うシザーを選び、使っていただきたい。これまで寄せられてきた多くの女性ヘアスタイリストのお声とOKAWAの培ってきた経験・データを元にシザー開発が始まりました。
協力を依頼したのは、OKAWAシザーの愛用者でもあり、テレビ、映画、CMなど枠にとらわれず第一線で幅広く活躍している砂原由弥氏。何度も意見を交わしながら、OKAWA初の女性のためのカットシザー「GLAM」は開発されました。
その想いは、全ての女性スタイリストのために―――。
使い始めてすぐにわかる
手に指に合うことは、自分らしいということ
OKAWA代表・大川(以下O): 今回は女性美容師の方に向けたシザー開発ということで砂原さんにご協力いただきました。今までのシザーというのは、様々なスタイルを作り出すため、刃の長さや機能に関してはいくつも種類がありましたが、基本構造は男女ともに同じ規格になっていました。ということは、指が細かったり、手の華奢な女性にとっては少し大きく感じるサイズだったと思うんですよね。
砂原さんはこれまで弊社のHC-KXの6.3インチのシザーを使っていただいていましたが、砂原さんの小さな手には、若干造りが大きくないかなと気にしていました。それでも技術や今までの経験で補われながら使っていただいていたと思いますが…。
そこで今回開発された「GLAM」ですが、大きな特長は今まで男女同一だったハンドル設計を見直し、小指掛けの長さや柄の長さ、リングの内径を小さくしたことです。ご試用いただいてもう2週間ほど経ちましたが、以前のHC63-KXと比べて使い心地はどうですか?
砂原氏(以下S):いいです、すごく!軽くて使いやすいですね。簡単に「いいです」と言いすぎちゃうのも良くないかなと思うのですが、最初からとてもしっくりしています。今までもOKAWAのシザーを使っていたからか、自然と手になじむ感じがします。
正直シザーと美容師は一体感で仕事をするところがあるんです。たった0.3インチでもサイズを落としたら今までの感覚とずれて、手をつまんで切ってしまうということもよくあることなんですよね。でも今回はそんなこともなくとても自然に手にフィットする感覚、使い始めてまだ2週間なのに、これを使っていることが自分らしいと思えるんです。これは新鮮でした。
O: 今回、女性の人体採寸データを参考に構造部分のサイズを変更したことが大きな特長です。リングについては、女性の婚約指輪を作るときの指のサイズの資料などを参考に、通常ラインの製品より0.5~1mm小さくしたんです。その辺の小さな変化が、手にフィットする感覚に繋がっているのだと思います。
S:婚約指輪のサイズからなんて、なんだかロマンチック(笑)。でも、この使いやすさはきちんと計算されたものなんだと分かりますね。
O: 砂原さんは手も小さくて指も細いですよね。同じような手の小さい方が手に合わないシザーを無理して使うと、必要以上に力を使いますし、刃を開く動作が手を大きく広げなくてはならないので、負担がかかり続けて余計に手や腕が疲れたり、酷いときには腱鞘炎になってしまうことも多いですよね。そういった意味では、今までのシザーは男性向けのサイズだったんです。けれど美容師さんは女性も多い職業です。それなのにシザーのサイズは画一化されていたので、手に合わなくても無理にそれを使うしかなかったのが現状でした。
S: 手になじむので疲れも感じなくなり、1時間に2~3名はカットしますが、軽いので今までよりむしろ楽になっているかもしれません。それに、サイズは小さくなった分、刃を刃先から刃元まで幅広く使うので、一発で決められ、よりダイナミックに見えると思います。これはお客さんに「魅せる」という意味でもいいパフォーマンスになると思いますね。
毎日ワクワクできるシザーとO: 「魅せる」という意味では、砂原さんにはピンクゴールドを選んでいただき、「SUNA」というお名前もお入れしました。それもちょっと違ったシザーの表情を演出してくれると思いますが、どうですか?
S:かわいいですよね。他の色も個性的で好きですが、ピンクゴールドはより女性らしくて、女性のスタイリストには使いやすい色だと思います。また、形について、今回私はメガネタイプのハンドルにしましたが、オフセットの黒なんて、フォルムが立体的でアートですよね。色っぽさを感じます。
女性は、仕事道具にしても何にしても、どこかにかわいさや自分らしさを求めているものです。ですから、お気に入りを選び、身に着けられることでとてもワクワクできると思うんです。
O: ありがとうございます。開発中にそういったお話を伺いそこから発想を得て、色をシルバー、ゴールド、ピンクゴールド、カッパーブラウン、メタルブラックの5色から選べるようにしました。刃に好きな言葉や名前を入れられます。また、新シザーと対面するときの期待を高められるよう、「GLAM」の専用ボックスに入れてお届けします。砂原さんがおっしゃった女性ならではのこだわりを盛り込みました。ワクワク、感じていただけたでしょうか?(笑)
S:すごくいいと思います!こだわりの色、形、そして名前の入った唯一無二のシザー。美容業界は華やかに見えるけれど、過酷な職人の世界です。そんな中、「これでがんばるぞ」と思えるシザーとどんな経験も共有していってもらいたいですね。
O: 今回、シリーズには「魅力的な」という意味のある「GLAM」という名前を付けていただきましたが、どんな方にこのシザーを使ってもらいたいと思われますか?
S:周りを見て思うことなのですが、男性と違って女性のスタイリストはあまり多くのシザーを持たないんですよね。女性って好きな人に対しても「選んだこの人だけ」って感じじゃないですか?でも男性は「いろいろ持っていたい」なんですよね(笑)。なので、女性のスタイリストは割と2~3本くらいしか持たないことが多いけど、男性はケースに何本も入れているイメージがあります。でもこのシザーは小さいので細やかに切ることもできるし、さっき言ったように大きく刃元まで使ってバシッと決めることもできる。いろいろな表情を作り上げることができるので、GLAMを最初の1丁にするのもオススメです。すごく長く使えるんじゃないかと思います。
O: ありがとうございます。OKAWAのシザーは、作るのもメンテナンスも同じ職人が行います。職人がすべて手作業で行いますので、買った当時と同じ切れ味を取り戻すことができるんです。また、ルーペで拡大して見て必要なところだけを研ぐので、研ぎすぎることがない。高価なシザーを買っても、メンテナンスは別の業者だったり、大雑把な機械で行ったりすると、研ぎすぎて寿命が短くなったり、メンテナンス後の切れ味が変わってしまうということもありますが、そういったことがないので、ずっとご愛用いただけると思います。
S:最初の1丁目はいいものを使ったほうがいいと思います。というのは、最初に覚えた感覚を、手が忘れないからです。美容師になりたての数多くのスタッフを見ていると、はじめ何もわからず3丁くらいシザーを買って見るもんなんですよね。それでうまくできないと、ああでもないこうでもないと考えてみたり、シザーのせいにしたりしていて。でもうまくできないのは当然なんです。なぜならまだ腕がないから。だから、最初はこういったいいものを1丁持って、その後は技術の向上に集中してほしいですね。そうしながら、美容師になって数年もすると装飾の付いたシザーに動く人もいます。でも、また何年かするとそういったものをそぎ落としたものに戻ってきます。そんなとき、最初の1丁目の感覚を手は覚えているんです。
可能性は限りないー
女性向けシザーは、ボーダレスでより自由に
S:大川さん、このシザーですが男性にも勧めてもいいですか?UMiTOSにも華奢で指の細い男性スタッフも多いんです。このシザーなら彼らにもすごく喜んでもらえるのではと思うんです。
O: 確かに……そうですね!そういったことは全く考えていませんでしたが、もちろん、男性のスタイリストの方にも使っていただけたらと思います。確かに最近「小さくしてほしい」と男性のスタイリストの方に言われることもあったんです。小さめなので、デザイン系のカットをされる方におススメですね!
S:今回このお話を進めていきながら、確かに女性の選択肢ってなかったと自分自身再認識したんです。だからこれからはOKAWAで女性が選べるシザーをたくさん作ってもらって、女性スタイリストにとってのデパートになって欲しいなと思ってます。それが職人の作るOKAWAのシザーだと、私も安心です。
……と、思いながら、最後は男性ユースもOKになるなんて(笑)。でもそれなら男性スタイリストの方には、この女性の体のような色っぽい黒のオフセットハンドル、是非手に取っていただきたいですね。
GL55-A GL55-X 5.5inch
¥108,000(税込¥118,800)
GL57-A GL57-X 5.7inch
¥110,000(税込¥121,000)
GL60-A GL60-X 6.0inch
¥115,000(税込¥126,500)